2012/04/28

新橋金田中で人間国宝塾

菖蒲の鮮やかな緑が冷盆をきりっと演出

本日は雑誌「和楽」が主催する「人間国宝塾」を取材。
新橋の料亭「金田中」にて、お昼前より開かれました。
ゲストは人間国宝・歌舞伎立役の中村吉右衛門さん。


案内人は、NHK出身で古典芸能にも大変詳しい葛西聖司さん。
はじめの90分は、吉右衛門さんの舞台歴を振りかえる
スライドを交えたインタビュー。
後半には、塾生のためだけに特別な催しが。
金田中の大広間で、
播磨屋の名セリフを含めた舞台稽古の流れの一端を、
中村吉右衛門さん自らにご披露いただきました。
なんという贅沢な体験!


日本の古典芸能に興味はあれど、
知識が追い付いていない私。
そんな私ですが、
真近で初体験する中村吉右衛門さんのセリフまわしは
もう圧倒的でした。
声量、迫力、深み。


いったいどうやったら、こんな凛々しい声が出せるのか、
いったいどうすればこんな切れの良い動きになるのか。
いったいどれだけ修業すれば…。
想像をはるかに超える芸の前に、
ただただかっこいい、のひとことでした。


セリフのヤマではあまりの声量の大きさに、
料亭のふすまがブルブル震えるように揺れました。


一瞬で場の空気を変える演技力も圧巻。
あっという間に大広間の全員が話しの虜になり、舞台に引き込まれ、
広間の後ろでは吉右衛門さんの姿見たさに立ち見になるほど。


人間国宝のみなさんは、本当に有無を言わさぬものをお持ちです。


写真は金田中の献立から、最初に出された冷盆3品。
菖蒲の葉が季節を感じさせます。
バカラの鉢に盛られたのは、牛ロース煮牛澄琥珀掛け。
牛澄とは、牛スネから取った出汁です。
セリフを披露いただいた「勧進帳」弁慶とスネ(弁慶の泣き所)をかけられたそう。
金田中ご主人の岡副さんのダジャレ的アイデアが大好評でした。


それにしても和の芸は奥が深いです…。
頑張ってついて行きたい!

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