2012/05/08

ああ、英語


夜、娘と食後にのんびりテレビを見ていたら、
ポルトガルの懐かしい友人から
4年ぶりに電話がありました。

「もしもし」
「サヨーリ?」
ポルトガルの人が私の名前を呼ぶときは、
サオリ、ではなくサヨーリになります。)


突然で驚いたけど、でも同時に嬉しい!
話したいことは山ほどあります。
彼との会話はポルトガル語ではなく英語、
ところが、いざ話しだしたらその英語が…


……。


びっくりするぐらい出てきません。
そういえば、最近はメールでのやりとりがほとんど。
英語をしゃべることないからなあ。

子どもの運動会で久しぶりに走ったら、
足がもつれて転んじゃったお父さん、みたいな感じ。
自分のイメージに、記憶していたはずの英語がついてこない。
言葉が出てこないから、空いた右手がブンブン動いてイメージを形作るんだけど、
相手にはもちろん見えないから無意味に空振り。
前につんのめって、転びまくってました。

そういえば、考えたらもう仕事でも3年は英語を使っていない…。

ああ怖い!
英語って、ホントーに、使わないと恐ろしいほど、
どんどん抜けていくものです。

話せなかったことはまあ置いておいて、
おもしろかったのが3歳の娘。
最初は電話のやりとりを遠くからじーっと見ていましたが、
お母さんが電話で英語を話しているのが余程新鮮だったらしく、
しばらくしたら受話器に近づき、それからそばを離れません。

カルロスとの会話が終わると、
「いまの、えいごであそぼ?」と聞いてきました。
自分がNHKの番組で見ている幼児向け英語番組「えいごであそぼ」と一緒だよね、
と確認したんですね。

でもね、正直に言うね、娘よ。
お母さんの今の英語力はですね、
おそらくえいごであそぼより低い。
なんせとっさに単語が出てこないんだから。
えいごであそべません!!

でも、娘はそんなことわかりません。
それよりも何よりも、
テレビや本で見たり聞いたりしている英語ってものが、
自分のお母さんの口から出てきて、
しかも誰かと楽しそうにお話しているということに、
インパクトを受けていたよう。

幼児から英語に親しませるなら、
親も一緒に楽しむのが早いし、
興味を持たせる良いきっかけになるっていうけど、
こりゃ本当ですね。

幼児に英語なんて早すぎるし、続けなきゃすぐ忘れるから無駄だよ、
という声もあります。
そうかもしれません。
どんな方法が良いのか、いくつから始めたら良いのかと
世の中にはいろんな意見があります。
どれが正解かなんてわからないけれど、
本人が興味を持つように、親がちょっと仕掛けたりきっかけを作るのは
決して無駄ではないと思います。

英語は便利な道具です。
これは、自分がいろんな国を旅したり、海外で仕事したりする中で強く感じたし、
確信を持って言えることです。
それから、英語はたどたどしくてもちっとも構わない。
まずは恥ずかしがらずに口に出すことが大事。

ヨーロッパやアジアなどの英語が母国語じゃない国に行くと、
かなりクセのある発音で堂々と話す人が非常に多いことに気がつき、
衝撃を受けます。
どう話すかではなく、何を話すかが大事だから、
発音とか文法とか細かいことは二の次三の次。
通じないのはお前さんの理解力が足りないのだ、
と言われそうな迫力で、彼らは話していたりします
(実際はそんなこと考えていないと思いますが)。

日本人は形や作法を大切にする繊細な民族だから、
実はちゃんと英語を話せる人ですら自分の英語を心配してしまいがちですが、
海外でおかしな英語を堂々と話す人にたくさん会うと、
その生真面目さが段々ばかばかしくなってきます。
いいじゃん、伝われば。
そう思ってくるのです。

と、まるでコンプレックスのない人のような書きぶりですが、
日本で生まれ育った私には、
英語を上手に話せないと恥ずかしいというコンプレックスが
いまだに残っている気がします。

そしてそうなってしまった理由のひとつが、
スタートが遅かったせいだと私は思っています。
人のあれこれが気になり始める中学生からじゃ遅かった。
もっと早く慣れ親しんでおきたかった。
小学校から普通に接していたかった。

中学1年の春、NHKのラジオ基礎英語を聞きながら、
「なんだこの言葉!」と焦った記憶もはっきり残っています。
最初に覚えた単語blackboardの発音を聞いて、
黒板が全然イメージできなかった。
その単語の感覚のあまりの遠さにもショックを受けました。

だから、小さい子ども達には、
早いうちから耳だけでも慣れて欲しい。
その方が、のちのち彼らも楽しいんじゃないかと思います。

英語はやっぱり便利な道具。
ペラペラの必要はないけれど、
思ったことを伝えるのに困らないぐらいになって欲しい。
使い方をマスターすれば、
自分の行きたいところに自由に行ける乗り物みたいなものだから。


それにしても自分の英語、ひどかったなあ。
娘に感づかれる前に、なんとかしなきゃ。

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