2012/12/13

ポルトガル取材 ヴィーニョヴェルデ編 その4

10/17の前回からちょっと時間が経ってしまいましたが
ようやく続きが書ける!
ヴィーニョヴェルデをめぐる旅の話しの続きです。


ポルトガル最北の町メルガソでは2軒ワイナリーを訪ねましたが、
2軒目がここREGUENGO DE MERGACO』です。

ワイナリーのメインの建物は16世紀に建てられ、
その後多数の有力者の手に渡ったマナーハウス(荘園の地主が住む家)を
近年宿泊施設に改築したもの。



赤、紫、黄、オレンジなど、季節のカラフルな花がさりげなく、
でもちゃんと計算されて植えられていて、
自然の色のニュアンスに目も気持ちも安らぎます。


この宿になっている建物の裏には、なんとプールが!


山とブドウ畑の緑に囲まれたプール。しかも空気もワインもおいしい!

夏は周囲に広がるブドウ畑をバックにプールで泳いで、
なんだったらプールサイドでヴィーニョヴェルデも飲めるぜぃ、
という素敵な環境でした。

でも10月は泳ぐにはあまりに寒い。今回は眺めるだけに。
きっと夏は気持ちいいんだろうなあ。

卵の色だけでこの黄色です。トウモロコシ粉でも
加えてるのかと思いました

ここの宿の朝ご飯で出てきたボーロ(ケーキ)が忘れられない味でした。
見た目も味も素朴の極み。
ふとしたときにこういう味に会えるからこそ、
私はポルトガルのファンなのかもなあ。

ほんのり甘くて、やさしい卵の風味いっぱい。
しっとりではなく、かむとぼろぼろ崩れるタイプ。
このぼろぼろが、いかにもポルトガルだと思います。

これとはまた違ったポルトガルのお菓子にパオン・デ・ローという焼き菓子があり、
それがカステラの元祖(スペインのビスコチョもですね)と言われていますね。
あ、パオン・デ・ローの話にも、
今度ブログで触れようっと。

宿泊した建物のある敷地内に、
ワインのテイスティングができる建物がありました。
朝ご飯が終わったら、早速ヴィーニョヴェルデを試飲。

おもしろいほどに、色のトーンが変化しています

こちらのワイナリーは
「REGUENGO DE MERGACO」というブランド1種類に絞って
毎年ワインをつくっているそう。
カジュアル版とか、
限定版とか、
そういう種類分けもなくこれ1種! 
んー、気持ちいいほどに潔いですねえ。

部屋の中には、ブドウの皮からつくる蒸留酒、
アグアルデンテ用の古い器具もありました。


ボトルの雰囲気やラベルのデザインもかなりモダン。
私の普段接している
カジュアルなヴィーニョヴェルデの雰囲気とは全く違うので、
ちょっと驚きました。
こんなスタイリッシュなヴェルデも、いいですね。

そしてなにより他のヴィーニョヴェルデと一番違う点、
それは発泡しないということです。

飴色に変化しているヴィーニョヴェルデ!

無発泡のヴィーニョヴェルデは、
いわゆる普通の白ワイン。
これは、アルバリーニョという
このメルガソと近隣のモンサオンという地域で栽培が限定された、
高品質なブドウを使ったもので多くつくられています。

アルバリーニョというブドウについては、
10/17のブログで訪ねた「Quinta de Melgaco」でも書きましたが、
他のブドウのような早飲み向きというよりは、
寝かせて熟成を楽しめるタイプ。
ワインをつくる人の言葉でいえば、
ポテンシャルの高いブドウなのです。
だから、独自の瓶内発酵で微発泡に仕上げるのではなく、
通常のスティルワインのようにマロラクティック発酵を経てさらに寝かせ、
熟成を経たワインの風味や奥深い香りを楽しむというわけ。

それは、飲んでみるとよくわかります。
この3本は2007年、2010年、2011年とつくった年が少しずつ違うのですが、
熟成を重ねると香りにふくよかさが出て、ほんのり香ばしさもある。
すっきり爽やかないわゆるヴィーニョヴェルデにはない、
豊潤さがあります。

まるみのある白ワインを飲みたい時は、
こういう熟成タイプのアルバリーニョもいいなあ。
ちょっとクセのあるブルー系のチーズなんかも、
これなら合いそう。


まあ、そもそもヴィーニョヴェルデは、
ヴェルデ(緑)という名前はあるものの分類上は白ワインのカテゴリーなので
発泡しないからヴェルデじゃないとか、
そういう認識自体がずれているらしいのです
(ワインの師、セニョール・カルロスに言われました)。

が、私にとって、
やっぱりヴィーニョヴェルデは発泡していて欲しい存在なんですね。
というより本音を言えば、
発泡しないヴィーニョヴェルデにはあまり思い入れがない!
おいしいのはよくわかっても、
なんで君は発泡しないの? って、まずつっこみを入れたくなっちゃうんです。

同じような話を、移動中の車の中でカルロスに言ったんですが、
しばらくうーんと唸った後、彼は
「あのさ、なんでサヨーリ(彼が私の名を呼ぶときはそう聞こえるんです)は
そんなに発泡してるワインが好きなの?」
と逆に不思議そうに聞いてきました。

セニョール・カルロスと弟子の私。
これからワイナリーあと3つまわるぞ!
「だからね、発泡してるから好きっていうんじゃなくて、
ヴィーニョヴェルデは微発泡のショワショワじゃないと
物足りないのよねー」と話したんだけど、
カルロスは
「……フーン」って感じ。で、
「でもさ、サヨーリはフランスやイタリアや、他の国の白で好きなものにも発泡が必要なの?」
とまたまた質問されます。

「やや、そんなことないのよ。発泡してない白も大好きだし」
「それならヴィーニョヴェルデだって普通の白ワインなんだから、発泡してなくてもいいんじゃない?」
「ん、えーっとですね、そのつまり……」

この先は、ニュアンスも含めた話をしなきゃならないので、
言葉が詰まってきます。

「ヴィーニョヴェルデが白ってことはわかってるけど、
でも微発泡でショワショワしてないと、ヴェルデって思えないの!」
「ヴェルデも白ワインなのに?」
「そうなんだけど、ヴェルデは私にとっては、白っていうより、ヴェルデなの!
ほら、緑とか若いって意味でしょヴェルデは、それとイメージが近いの」
「OKサヨーリ、それはわかったけど、でもアルバリーニョの白もおいしいから、
ヴェルデとしてちゃんと興味持ってね」

カルロスの、アルバリーニョへの愛やプライドも伝わってきます。
そうだよね、だって普通の白としてなら、
おいしいワインだもん。

でもね、
でもですね、
やっぱりヴィーニョヴェルデは、
ショワショワしてないとイヤなんです。
そう、イヤなの!

あ~、セニョール・カルロス、
この日本人女性の気持ち、わかって欲しいなあ~。

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